起業する人の全員が起業の経験や知識が豊富というわけではありませんが、知識や経験がないと起業しても失敗するリスクが高くなります。そのため、起業を考えている人の中には、起業の知識を身につけるために、大学に入って起業について学んだ方がいいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、起業に向いている大学の学部はどこなのか、起業と大学の関係について解説します。
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起業に向いている大学の学部はある?
起業には「大学の○学部卒業していなければならない」という条件はありません。そもそも起業には条件が存在しないため、起業したいと思っている人は誰でも起業できます。しかし、誰でも起業できると言っても、起業の知識や経験がない人が起業することはリスクが高く、失敗に終わる可能性も高いので注意が必要です。
「起業に必要な知識を身につけるだけで良いのであれば、わざわざ大学に進学しなくてもいいのでは?」と感じる人も多いと思います。本やネットで起業に必要な知識を身につけることはできますが、間違えて解釈すると起業に大きな影響を与えるため、質問できる環境が整っている大学がおすすめです。
大学と一口に言っても、数多くの学部があります。中には、起業とあまり関係のない学部もあるため、どの学部が起業に適しているのかを事前に確認しておくことが重要です。起業に向いている大学の学部は以下の通りです。
- 商学部・経営学部
- 法学部
- 理工学部
それぞれの学部の特徴について詳しく見ていきましょう。
商学部・経営学部
まずは商学部と経営学部です。商学部と経営学部は、簿記といった会社を経営していく上で必要になる会計の知識を身につけることが可能です。また、商学部や経営学部の講義を担当している講師として実際の会社の経営者を招くケースも多く、経営者に直接質問できるというチャンスがあります。
商学部や経営学部で学べるのは、起業から中小企業や大企業に至るまでの幅広い経営理論です。そのため、商学部や経営学部といった学部に進学すれば、起業時だけでなくその後の事業拡大に必要な知識も身につけられるでしょう。
法学部
続いては法学部です。起業には、商学部や経営学部で学べるマーケティングの知識が必要と感じている人が多いと思いますが、それだけでは正しい起業には結びつきません。例えば、いくら簿記の知識を身につけても、法令違反していれば罰則の対象になります。そのため、起業する際は、税務や雇用契約といった法律的な知識も見つけることが重要です。
法学部では、日本国内だけでなく、海外も含めた様々な法律の知識を身につけることが可能です。法律の知識は、なかなか本を読んで簡単に理解できるものではありません。いつでも質問できる環境で学ぶことが最も良いと言えるでしょう。
理工学部
最後は理工学部です。「会計や経理の商学部、経営全般の経営学部、法律関係の法学部には起業に直接関係ありますが、なぜ理工学部?」と疑問を抱いた人も多いと思います。しかし、最近の会社はIT化が必須となっており、それらの知識がビジネスの成長スピードを格段に上げる可能性があります。
また、ソーシャルサービスやWebサービスなどを手掛けているベンチャー企業の数も増加しており、短期間で上場を果たすケースも。ビジネスの成長には欠かせない知識を得られる学部とも言えるため、起業に向いている大学の学部の1つと言えるでしょう。
起業前に大学に進学する3つのメリット
起業に必要な知識は、専門的な知識を身につけられる大学に進学するのが一般的でしたが、現在は本やネットなどを活用すれば誰でも簡単に起業の知識を身につけることが可能です。また、大学に進学する場合は授業料が発生するほか、働きながら大学に通う場合はなかなか両立が困難です。それでも起業前に大学に進学した方が良いと言えるのでしょうか?
大学への進学が金銭的・体力的な負担になっては意味がないため、起業前に大学に進学するメリットがあるのか把握しておくことが重要です。起業前に大学に進学するメリットには以下の3つが挙げられます。
- 知識や経験を起業に活かせる
- OB・OGなどの人脈が広がる
- 大学によっては補助金を受けられる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
知識や経験を起業に活かせる
高校の中には、専門的な知識を学べるところもありますが、普通科の高校は大学進学を目標としている場合が多く、起業に必要な知識や経験を得ることはできません。しかし、大学に進学すれば、起業に必要な知識や実際に起業した人と意見交換を通して貴重な経験を得ることが可能です。
また、大学で起業に必要な知識を身につける延長で、資格を取得して起業することも夢ではありません。例えば、弁護士、税理士、公認会計士、社会保険労務士、宅地建物取引士などです。
これらの資格を取得すれば、起業に必要な知識が身につくだけでなく、自ら起業することも可能なので、起業に大きく近づくことが期待できるでしょう。
OB・OGなどの人脈が広がる
会社は、人事部、経理部、財務部、営業部、総務部などの多くの部署で成り立っています。各部署に配属されている人たちは、基本的にその部署に必要な知識さえ身につけていれば、他の知識は他の部署で補ってくれるので問題ありません。また、チームで業務に取り組んでいる場合は、失敗してもチーム全体の失敗、最終的には会社の失敗です。
しかし、起業するとなると、最初から多くの社員を雇用することはできないため、これらの業務を自身で行わなくてはなりません。また、失敗した場合の全責任を負うことになるため、精神的な負担が大きくなることに。
大学に進学してから学部で出会った人たちの中には、起業に対する同じ信念を持っている人がいる可能性があります。そのような人たちと起業すれば、起業がよりスムーズに軌道に乗りやすいと言えます。また、一緒に起業しない場合でも、OB・OGが良き相談相手になることも。
起業した経営者は孤独になりやすいと言われています。しかし、大学の学部で出会ったOB・OGの存在は、大きな心の支えになると言えるでしょう。
大学によっては補助金を受けられる
起業する際に最も苦労するのが資金の確保です。事務所を構えるために必要な事務所費用、机や椅子、パソコンやコピー機などの設備・備品購入費用、広告費のほか、人件費や仕入れ費用などもかかります。
特に起業1年目は会社の認知度が低いため、赤字経営に陥る可能性が高く、十分資金を確保できていなければ、起業が失敗に終わる可能性があります。しかし、大学によっては学生の起業に対する補助金関係のコンサルティングを手掛けているところも。
起業に特化した起業支援プログラムを提供している大学の学部もあります。起業に向いている大学の学部を選ぶだけでなく、起業支援プログラムが充実している大学の学部を選ぶことも重要なポイントと言えるでしょう。
まとめ
起業することに条件はありません。そのため、誰でも起業できます。しかし、起業の知識や経験がなければ、せっかく起業しても失敗に終わる可能性が高くなるので注意が必要です。起業に必要な知識は本やネットで身につけることも可能ですが、間違って解釈してしまう可能性も。
そのため、正しい知識を身につけるためには、大学で起業に関する知識を学んだ方が良いと言えます。起業の知識を身につけられる学部には、商学部・経営学部・法学部・理工学部が挙げられますが、それぞれ特徴が異なっています。
自分が得たい起業の知識がどこの大学のどこの学部で得られるのか、また大学に進学する必要があるのかもよく考えてから決めましょう。
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