起業するにあたって簿記は必要?起業と簿記との関係とは

会社は、人事部や経理部、営業部など、ぞれぞれの役割ごとに担当部署が分かれています。社員全員が全ての役割の知識を備えている必要はなく、各担当部署が知識を備えていれば問題ありません。起業する場合は自分一人で全ての業務を行うことになりますが、その際に簿記の知識は必要なのでしょうか?

そこで今回は、起業するにあたって簿記が必要なのかについて解説します。

起業するにあたって簿記は必要?

起業するにあたって簿記は必要?

会社には、社員の採用や給料の支払い手続きなどを行う人事部、会社の会計報告書の作成を行う経理部、資金の調達や運用を行う財務部など、各役割によって部署が設けられています。入社して配属先が決まった場合には、配属先の部署の知識を身に付ける必要がありますが、配属先以外の知識まで身に付ける必要はありません。

しかし、起業するとなると、最初から全ての役割に必要な人材を雇うことはできないため、自分自身で各業務を行う必要があります。特に、経理や財務に関する業務は、起業してから事業を安定させる上で必要不可欠な業務です。これらの業務を行う上で必要なのが簿記の知識ですが、簿記が分からないと起業できないのでしょうか?

簿記が分からなくても起業はできる

簿記とは、事業における取引を一定のルールに基づいて数字で記すことです。起業した後の会社のお金の流れがどのようになっているのか、経営状態を分かりやすく管理するために必要なものです。

しかし、個人事業主やフリーランスとして起業する場合や法人を設立して起業する場合も簿記の知識や資格が必須というわけではありません。簿記の知識や資格がなくても、誰でも起業することは可能です。

記帳や納税に関する事務処理を行う必要がある場合でも、専門的な知識を有する税理士に任せれば解決できます。

簿記が分かることによる5つのメリット

簿記が分かることによる5つのメリット

簿記の知識がなくても起業できることは分かりました。確かに、簿記の起業に簿記の知識は必須ではありませんが、簿記が分かることによって起業する際に以下の5つのメリットが生じます。

  • 経営戦略を練りやすくなる
  • 不正処理によるトラブルを防げる
  • 金融機関からの融資を受けやすくなる
  • 黒字倒産を防ぐことができる
  • コストの削減につながる

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

経営戦略を練りやすくなる

簿記の知識を身に付けることで、起業後にどうやって資金を調達して、その調達した資金を何に使ったのかが分かるようになります。資金の流れが分かりやすくなることで、動かせる資金と動かせない資金の区別がつくことから、次に取るべき経営戦略も練りやすくなるでしょう。

不正処理によるトラブルを防げる

簿記は事業における取引を一定のルールに基づいて数字で記すことと言いましたが、このルールを守らずに会計処理を行っていると、不正処理による脱税が疑われるリスクが高くなります。会計処理が疎かになっていて脱税に該当していた時は、以下の6種類の付帯税に課される場合があります。

  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 不納付加算税
  • 重加算税
  • 延滞税
  • 利子税

また、脱税が悪質と判断されると、10年以下の懲役か1,000万円以下の罰金または両方が課される場合があります。簿記の知識があれば、これらの不正処理によるトラブルを防ぐことに期待できるでしょう。

金融機関からの融資を受けやすくなる

事業で資金が必要になった時は、金融機関から融資を受ける必要があります。しかし、金融機関から融資を受けると言っても、金融機関は返済が滞っては困るため、しっかりと調査を行ってから融資を実施します。

調査では会社の決算書の提出が求められるのが一般的です。しかし、この提出した決算書の内容に対して何も説明できなければ、「財務状況を理解できていない経営者」と判断されて、融資を受けられない可能性があります。

簿記の知識を身に付けておけば、決算書に書かれている内容を説明できるようになるため、金融機関からの融資を受けやすくなるでしょう。

黒字倒産を防ぐことができる

経営がうまくいっていても倒産しないとは限りません。いくら商品やサービスが好調でも、その売上が手元に入ってくるまでに時間がかかることもあります。そうなると、事業継続に必要な資金が底をついてしまうため、黒字でも倒産することがあります。

このような黒字倒産を防ぐには、事業のキャッシュフローをしっかり把握することが重要です。簿記の知識を身に付ければ、キャッシュフローが理解できるようになるので、未然に黒字倒産を防ぐことができるでしょう。

コストの削減につながる

記帳や納税に関する事務処理を専門的な知識を有する税理士に任せる方法もありますが、専門家に依頼すると依頼料が発生します。起業してから事業が軌道に乗るまでは、なるべく支出を抑えることが求められます。

起業した最初のうちは記帳や納税に関する事務処理が少なく、簿記の知識があれば自分で行うことも可能です。また、専門家に依頼する場合でも、一部を自分で行うようにすれば、コストの削減につながるでしょう。

簿記の知識を身に付ける3つの方法

簿記の知識を身に付ける3つの方法

起業時に役立つ簿記の知識ですが、簿記の知識を身に付けるためには試験を受けなければならないと思っている人もいるのではないでしょうか?しかし、簿記の知識を身に付けるというだけであれば、わざわざ試験を受ける必要はありません。以下の3つの方法で簿記の知識を身に付けることができます。

  • ネットで調べる
  • 本を買って勉強する
  • セミナーに参加する

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

ネットで調べる

1つ目はネットで簿記について調べるという方法です。ネットで調べる方法のメリットは、調べたい時にすぐに調べられるという点です。

しかし、誰でも簡単に情報をネットに掲載できてしまうため、掲載されている情報の信憑性という点では低いというデメリットがあります。また、掲載されている情報が新しいものと限らないため、自分で情報の取捨選択を行わなくてはなりません。

間違った情報を入手した場合には、不正処理によるトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。

本を買って勉強する

続いては本を買って勉強するという方法です。本を買って調べる方法のメリットは、情報の信憑性が高いという点です。ネットとは違い、誰が書いているのかがハッキリと分かるため、安心してその情報を事業に取り入れることができます。

しかし、本の購入にはある程度の費用がかかります。また、費用を抑えるために中古の本を購入すると記載されている情報が古く、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。中古の本を購入する場合はネットで調べる方法と同様、自分で情報の取捨選択を行う必要があるでしょう。

セミナーに参加する

最後はセミナーに参加するという方法です。金融機関などが主催している起業セミナーや経営者向けのセミナーでは、事業に必要な簿記の知識について無料でセミナーを実施している場合があります。

開催日時と場所が決まっているため、予定が合わないと参加できないというデメリットがある一方、講師が専門家であることが多く最新情報が手に入るというメリットがあります。起業に興味がある人や経営者などと情報交換できる良い機会なので、参加する価値は高いでしょう。

まとめ

まとめ

起業するにあたって必ず簿記の知識が必要になるというわけではありません。しかし、経営戦略を練りやすくなる・不正処理によるトラブルを防げるといったメリットを考慮すると、簿記の知識を身に付けておいた方が良いと言えます。

簿記の知識を身に付ける方法には、ネットで調べる・本を買って勉強する・セミナーに参加するという3つの方法があります。自分に合った方法で簿記の知識を身に付けて少しでも早く事業を軌道に乗せられるようにしましょう。

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