信頼関係構築のための「ラポール形成」とは?ラポールを築くためのコツとは?


良い人間関係を構築するために必要なスキルとして【ラポールを築く】というものがあります。ラポールという言葉はあまり聞きなれた言葉ではありませんが、一体どういった意味を持つのでしょうか?

ラポールを上手に築くことができると、プライベートはもちろんビジネスにおいても相手との信頼関係を築くことが可能なので、ラポールを築くためのコツや手順を知っておくことはあなたの価値を高めることにつながるでしょう。

まずはラポールとは何なのか、ラポールを築くための考え方、必要なスキルやコツについてチェックしておきましょう。

ラポールってなに?


ラポールは心理学で利用されている用語で、主に相手との信頼関係のことを指しています。フランス語で「橋を架ける」という意味を持つラポールが語源となっています。

元々カウンセリングの現場なので多く用いられていた言葉ですが、最近では友人や家族などのプライベートな関係だけでなく、ビジネス上の人間関係を構築する際などのスキルとして【ラポールを築く】という言葉がよく使用されるようになりました。相手との信頼しあえる関係性を意味する「ラポール」をどのようにして築くのかを知っておくことで、プライベートだけでなくビジネスにおいてもあなたのコミュニケーション能力は評価され信頼を得ることができるでしょう。

ラポールを築くためには何が必要?


相手と信頼しあえるようになるために、ラポールを築こう!と思っても、まずは何から始めるべきなのでしょうか?ラポールを築くためには「相手を尊重する」「相手に合わせる」「ペーシング、リーディングの流れを知る」ことが必要です。

それぞれの意味をご紹介します。

(1)相手を尊重する

ラポールを築いて相手との信頼関係を構築するために、まずは相手のことを尊重することが必要です。相手のことを自分の良いように扱いたい、思い通りに動かしたい、などのように傲慢かつ自己中心的な気持ちがある場合、ラポールを築き信頼を得ることは難しくなるでしょう。相手のことを知りたい、相手との信頼関係を構築したい、という気持ちを大切にして、まずはしっかりと話を聞く姿勢を見せましょう。ラポールを築くためだけでなく、コミュニケーションのための基本とも言えますが、相手の話を「理解しようとしっかりと聞いている」「あなたに興味がある」という気持ちを示し、相手との信頼関係を構築するために、相手を尊重して接することはとても重要なこと
です。

(2)相手に合わせる

人間は、自分と似ているものに親近感、安心感をもつようになります。趣味や容姿、好きな芸能人など、興津のものがある場合、初対面の相手との距離が一気に縮まった、という経験をしたことはありませんか?

反対に、人間は自分と共通点を全く見つけられない相手のことを警戒してしまう、という特徴があります。相手に信頼してもらうためにラポールを築くには、相手との共通点を探すことはもちろん、相手に合わせることが大切です。

(3) ペーシング、リーディングの流れを知る

前述通り、「相手に合わせる」ことはラポールを築くために非常に大切で、徳に相手の呼吸の仕方や話し方、相手の状態に合わせて会話することを「ペーシング」といいます。

ペーシングをした後にラポールを築き、目標達成のための会話をリードする「リーディング」をすることで相手と良好の関係性を構築しやすくなります。特に、営業などの仕事をしている人で、相手との関係性を上手に構築することができる人の多くは、ペーシングからリーディングまでの流れを一つのくくりで考えていることがほとんどです。

ラポールを築くために、この流れを一つのセットととられる考え方ができるかどうかは非常に重要です。

ラポールを築くために重要な「ペーシング」の基本を知っておこう


ラポールを築くために、ペーシングからリーディングをセットで実行することが重要であるとご紹介しました。

まず、ペーシングを上手にしておくことが信頼関係を構築するための基礎となるため、ペーシングの基本を知っておきましょう。ペーシングは「キャリブレーション」「ミラーリング」「マッチング」「バックトラッキング」の4つのスキルを身に着けておくことが大切です。それぞれのスキルについてご紹介していきます。

(1)キャリブレーション

まず、ペーシングの基礎的な考え方である「キャリブレーション」についてご説明します。コミュニケーションの相手の心情は、表情やしぐさ、話し方に現れることがほとんどです。
相手がYESといった場合であっても、本心では「NO」と思っているのではないか、と感じることはありませんか?相手の気持ちや話し方、しぐさから判断して相手が本当は何を考えているのかを常に観察することができる人は、ペーシングを上手に実行して相手に合わせることができます。キャリブレーションは「相手を観察する」という意味を持ち、ペーシングを上手に行うためには相手をいかにして観察するか、がとても重要なスキルです。表面的な言動だけでなく、本心で何を感じているのかを観察できるようになりましょう。

(2)ミラーリング

ミラーリングは相手の行動やしぐさ、言葉などを鏡のように真似することで、視覚的に行うペーシングのスキルです。ミラーリングは主に【顔】【上半身】【下半身】【呼吸】を合わせることで実行することができ、とくに表情は重要なポイントです。上手なペーシングを実行するためには、相手のまばたきや眉の動きなどを観察して自然にミラーリングを行っています。

しかし、ミラーリングはただすべてを真似することではありません。相手の行動を見て少し遅れたタイミングで自然にミラーリングができるスキルを身に着けておきましょう。

(3)マッチング

マッチングは、話すスピードや声のボリューム、声の高さなど、聴覚的に行うペーシングのスキルです。自分との話し方や声の大きさがあまりに違う場合、相手とあまり分かり合えないような気がしたことはありませんか?

上手にマッチングができていない場合、話の内容がどうであれ、相手とのコミュニケーションがなかなかうまくいかず、ラポールを築くことが非常に難しくなってしまうでしょう。

また、直接相手に会うことがない、電話などでの営業をしている場合、ミラーリングをすることができないのでマッチングのスキルはとても重要です。

(4)バックトラッキング

相手の言葉をそのまま繰り返すことで実行するペーシングの方法です。相手の言葉をそのまま活用することがポイントです。相手の言葉を自分で解釈して違う言葉に変えて繰り替えしていても、あなたが相手の意図とはかけ離れた解釈をしてしまっている可能性もあります。相手が伝えたいことと違う解釈をしてしまった上に、自分なりの言葉で相手の話を繰り返してしまうと、相手は「自分の話を全然理解してくれていないな・・・」という感覚をもってしまい、ラポールを築くことは難しくなってしまいます。

相手が使用した言葉をそのまま使用して、上手にバックトラッキングをするスキルは、ペーシングに重要なスキルです。

実践!ラポールを築く手順


上手なペーシングを実行するために身に着けておきたいスキルについて確認できましたか?では、実際にラポールを築くための手順をチェックしてみましょう。

(1)コミュニケーションの目標を設定しよう

相手との会話において何を目的・目標としていますか?ビジネスにおける営業活動を成功させるための会話であっても、販売する商品を説明するための時間なのか、実際に契約をしてもらうための時間なのか。相手が抱えている問題を知るための時間なのか、明確な目標や目的を設定しておきましょう。

目標・目的が明確に設定されていない場合、何のためのコミュニケーションをとっているのか、会話の途中で分からなくなってしまい、結果として相手と良好な人間関係を築くことが難しくなってしまいます。簡単な目標や目的、会話をする時間についてあらかじめ設定してください。

(2)相手の気持ちを事前に調査

つぎに、相手の気持ちを事前に調査しておきましょう。相手の気持ちを知っておくことで、実際にコミュニケーションをとる際に、相手の話をよりよく理解して聞くことができます。ラポールを築くためには、相手の話を理解しながら聞くことが重要なポイントです。

(3)ペーシング

先ほどご紹介したペーシングのスキル「キャリブレーション」「ミラーリング」「マッチング」「バックトラッキング」を上手に活用してペーシングして、相手の会話に視覚的、聴覚的に合わせましょう。上手にペーシングのスキルを活用することができると、相手とのラポールを築きやすくなります。

(4)リーディング

ペーシングを上手に実行することができると、相手とのラポールを形成し信頼関係を構築することができます。ラポールを築くことができた場合、リーディングをすることで相手を最初に設定した目標や目的に導きやすくなるでしょう。あなたの動きに自然と相手が合わせてくるようになると「ラポールを築くことができている」と言えます。その後、リーディングによって相手を目標達成の方向に導きましょう。

より親密なラポールを築くためのコツとは


さて、これまではラポールを築くための基本的なスキルや手順をご紹介してきました。これまでご紹介した方法で、基本的なラポールを築くことは可能ですが、相手とより親密なラポールを築きたい!という場合には、「相手の五感のタイプを知る」ことがポイントです。人間は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の5つの感覚によって様々な情報を理解し、受取ります。

心理学的に、コミュニケーションにおいて、人間は「視覚からの情報を優先するタイプ」「聴覚からの情報を優先するタイプ」「味覚・嗅覚・触覚など身体感覚からの情報を優先するタイプ」の3つに分類することが可能です。

それぞれのタイプによって、コミュニケーションの性質が異なり、相手の性質に合わせたコミュニケーションを行うことで、より親密なラポールを築くことができます。より深いラポールを築き、相手と強い信頼関係を構築するためには、まず相手が3つのタイプのどれに分類することができるのかを最初に分析して見分けておきましょう。3つのタイプの特徴をご紹介します。

(1)視覚からの情報を優先するタイプの特徴

①視線
視線は上を向くことが多いでしょう。

②よく使用するフレーズ
・ビジョン
・見る
・観察する
・イメージする
・見えない
・色
・描く
・見通し
など

③その他の特徴
視覚からの情報を優先するタイプの人は、早口で話す人が多く、自分の中にあるイメージを手で表現しようとします。

また、ものの外見などに気持ちを左右されやすく、目に見える結果がない場合はやる気をなくしてしまう傾向があるでしょう。その他には、物事を絵で記憶する特徴があり、いつも椅子に浅く座っている、呼吸が浅い、などの特徴があります。

(2)聴覚からの情報を優先するタイプの特徴

①視線
左右に目が動く特徴があります。

②よく使用するフレーズ
・耳にした具体的な他人の言葉
・ツルツル、わいわいなどの擬音
・はーっなどの感嘆詞
・聞く、言う、話す、など聴覚的な言葉

③その他の特徴
聴覚からの情報を優先するタイプの人の特徴として、比較的に論理的な性格の人が多く、自分より上の権力に弱い、というものがあります。

また、音に敏感なため、雑音の中で集中することが難しく。他人の話し方の変化や声の調子に敏感に反応します。そのほかには、雑学好きで、独り言が多い、という特徴もあります。

(3)身体感覚からの情報を優先するタイプの特徴

①視線
視線は下を向くことが多いでしょう。

②よく使用するフレーズ
・胸に刺さる、心が熱いなどの身体感覚を用いた表現が多い
・感じる、冷める、温かい、つかむ、触るなど

③その他の特徴
身体的な感覚を優先するタイプの人は、ゆっくりとした動作が多く、自分の気持ちや感情をジェスチャーで表現することが多いでしょう。

また、身体的に感じたことを話すため、口調もゆっくりしていることが多く、他人との距離が比較的近いことが多いです。

また、環境的に自分の居心地の良さを優先し、深い呼吸をする人が多くなっています。相手のタイプを分析して相手のタイプに合わせてコミュニケーションをとることで、より深いラポールを築くことが可能になります。

まとめ


今回は、自然と相手との信頼関係を構築するための「ラポールの築き方」についてご紹介しました。ラポールを上手に築くことで、相手から自然と信頼してもらうことが可能になります。相手との信頼関係を築くことができると、相手の中であなたの価値は上昇するでしょう。コミュニケーションのために必要なスキルの一つとして身に着けておくことをお勧めします。

Next : »
Prev : «